【相変わらずの戦闘シーンは、気持ち良い ギリシャ神話を知ってるとさらに楽しめる】★★★■ 遥か昔、ゼウス率いるオリンポスの神々は、邪悪な神々・タイタン族をタルタロス山の地底に閉じ込めた。そして時は過ぎ、地上は人間たちの国となった…。時は流れ、古代ギリシアの時代。イラクリオン国王のハイペリオン(ミッキー・ローク)は、地上を支配するため、タイタン族を解放する光の神が造った武器・エピロスの弓を探し求め軍隊を結集してギリシアの地を侵攻していく。弓がハイペリオンの手に落ちれば闇の神は復活し、人類の破滅も免れない。ハイペリオンの野望を阻止すべく、光の神の頂点に立つゼウス(ルーク・エヴァンス)が選び出したのは、自らが鍛え上げた人間、テセウス(ヘンリー・カヴィル)だった。
巫女・パイドラは、ゼウスが人類を守る救世主と見定めた人間・テセウスと出会い、彼の運命を見抜いた。そしてテセウスは、ハイペリオンとの戦いに挑むことに・・・(goo映画より)
▼ SIONが、中学時代にはまり、夢中で読んだローマ神話・ギリシャ神話。どんな話が展開されるだろうと期待に胸を弾ませて観ました。その上【 300 】のスタッフが手がけてるとくれば更に期待値が上がったんですが、うーんどうなんでしょうか。ストリー的には★★☆ッ感じなんですが、ラストの神々の戦いのシーンだけで+☆ということで★★★にしました。
ギリシャ神話に親しみのある方なら、ご存知だと思いますが、ギリシャ神話の神々は、一般的にわれわれが創造するような神ではなく非常に ”人間的 ”です。大抵やってることは、昼メロも真っ青のドロドロ劇です。その上、 ”神の力 ”を持ってるからとても厄介です。自分のわがままや欲望のためその ”神の力 ”を使っちゃうんですから。。。
今作もそんな神々のわがままというか、身勝手な掟で翻弄される人間が描かれております。神の勝手な行動のせいで物語の ”本筋 ”がブレてしまいストーリーとしては、いまいちと言わざるをえません。人間界のことには介入しないぞ!と高らかに宣言し、その掟を破った自分の息子まで怒りに任せてあっさりと葬ってしまうくせに、結局最後には家族そろって登場!その上、なぜか娘のアテナには、甘々のゼウス。傍から見てたらただのエコヒイキとしか思えません。ただ、タイタン族との戦いの場面でのゼウスたちの登場シーンは、まさに ”降臨 ”という感じでメッチャカッコ良いです。『 オラオラ 』感バッチリで戦隊モノのヒーローのようでした。
同様に、この手の映画お決まりの演説シーンもSIONは、素直に感動させていただきました。逃げ腰のへな猪口ギリシャ兵にテセウスが一発演説をぶつのですが、こちらも観ていてギリシャ兵同様に意気が上がります(笑)続くハイペリオン軍との戦闘シーンでは、横長の尺をうまく使って迫力ある映像を作り出しています。縦長の通路というのはなかなか上手い事考えたなって感じです。
人間の戦いも神の戦いも【 300 】同様、結構エグイので好き嫌いはあるかと思いますが、個人的には好きな演出です。特に今回の、神と神との戦いのシーンでは、手足が切断され、頭や体がつぶされ、剣や槍で突き刺され血や肉片が飛び散りまくりまさにスプラッター映画も真っ青という感じですが、お得意のストップモーションとCGの組み合わせで、その映像は、個人的にはエグイというよりも美しさすら感じてしまいました。特にアテナの戦いぶりは、さすが戦いの神って感じで華麗で優美。女戦士は、やっぱカッコ良いッスねー。アレスが、テセウスを助けるシーンでは、戦う相手が人間なので、終始ストップモーションです。つまり、神の速さの前では、人間は止まってるようなものということなんでしょう。ラストの神とタイタン族との戦いでは、相手が同じ神なので同じ時間軸での戦いとなるよう演出されてました。なかなか上手い演出ですね。こういうところも好きだなぁ。
あっそうそう、ハイペリオンの兜?が、まさにカニのようだなと思い『なんで、カニやねん!』とツッコミを入れてたんですが、DVD収録の【もうひとつのオープニング】を観てやっと意味が分かりました。あの顔の傷もカニが原因とは。
今作は、ギリシャ神話からのエピソードもいくつか盛り込まれておりますが、神話自体を知らないと何の意味もありませし。。。その辺は、SIONの分かる範囲で下記に書いておきますねー。
<ゼウス>オリンポス12神であり全知全能の神。特に雷を司っています。なのでどうせアレスを罰するなら火のムチでなく雷を使ってほしかったです!また、ハデス・ポセイドンは実兄です。女神から人間まで多くの妻を持ち沢山の子を持っています。
<ポセイドン>同じくオリンポス12神であり海を司っている海王で、ゼウスの兄にあたります。映画でも持っていた大海と大陸と支配する三叉の槍トリアイナを持っています。あのトリトンやペガサスは、ポセイドンの子供で他にも多数の子供がいます。
<アテナ>これまたオリンポス12神であり、ゼウスと彼の最初の妻メーティスの娘。知恵・芸術・戦略を司る神で処女神です。
<アレス>オリンポス12神。ゼウスと女神ヘーラーの息子。戦を司る神であり軍神。同じ戦いの神でもあるアテナは、戦争の栄誉や戦略を表しますが、アレスは、戦争の狂乱や破壊を表し、神話の中では、あまり良いエピソードはありません。粗野で粗暴で神々の中では、嫌われていますが、なんとあの愛と美の女神アフロディーテ(ローマ神話ではヴィーナス)は、彼の愛人であり、彼女との間にはポボス(敗走)・ディモス(恐怖)・ハルモニアー(調和)という子供がいます。
<ヘーラークレス>ギリシャ神話の英雄であり半神半人。ゼウスとミュケナイ王の娘アルクメーネーの子供。
<テセウス>アテナイの王。アテナイの王アイゲウスに自分の息子と認めさせるためにアテナイに向かう途中、人々を苦しめる山賊や怪物を退治した英雄。この映画の中で雄牛の面をかぶったハイペリオンの戦士と戦うシーンが出てくるがあれは、テセウスと迷宮に幽閉されているミノタウロスのエピソードからのものだと考えられる。迷路っぽい演出もあったしね^^
<パイドラ>クレタ島の王ミーノースの娘であり、テセウスの妻。アフロディーテにそそのかされ義理の息子に恋心を抱いてしまうが、きっぱり断られる。しかし、そのことが原因で義理の息子とパイドラ本人も死ぬことになってしまう。
<ハイペリオン>最初の神である女神ガイアと彼女の息子天空神ウラヌスとの間に生まれたティターン12神の中の一人
<ファラリスの雄牛>パイドラの姉妹である巫女が、拷問されていた道具は、古代ギリシャで設計された拷問・処刑装置。
真鍮製の雄牛で中は、空洞。中に人をいれ火であぶる。煙が立ち昇るように設計され、また頭部には音響装置が組み込まれており中の囚人の叫び声が、雄牛の咆哮のように聞こえる設計がなされていた。なんちゅー怖い!映画の中でも時折、雄牛が鳴いていたけど・・・・想像するだけど怖いッス。
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